『プレゼンは「目線」で決まる』(西脇資哲) に書いてあったこと
西脇氏の書籍を読むのは、これが3冊目*1になります。 (随分前に読み終わっていたのですが、記事にするのが遅くなってしまいました)
過去の書籍とは少し異なる切り口で、プレゼンのノウハウが紹介されています。
プレゼンの目的
プレゼン=何を伝えるかをはっきりさせ、相手を動かすこと
「相手に物事を伝えること」はゴールではなく、さらに一歩進んで「相手に動いてもらうこと」、これがプレゼンの目的・ゴールだと言っています。
さらに具体的に、シナリオ作りのテクニックが紹介されています。
30対70の黄金比
前半の3割の時間を「課題提起」にあてています。残りの7割の時間で「本題」について語る。
「3割」というのはけっこう大きな割合です。1時間のプレゼンだとしたら 18分間を課題提起に当てろと言っているわけなので、かなり大きいです。 相手の意識を逃がさないように、真剣に最後まで聞いてもらうためには、課題提起がそれほど大事だと言っているわけです。
そして、その課題提起では、次のことを伝えるようにと紹介されています。
- なぜ"この話"が重要なのか
- なぜ"いま"伝えたいのか
- なぜ"私から"聞くべきなのか
- なぜ"あなたに"伝えたいのか
たしかに、この4点が抑えられていれば、聞く耳をこちらに傾けてくれるでしょう。
プレゼンの骨格を決める「A4一枚」シナリオ術
シナリオ作りの重要性に触れられており、A4一枚にまとめる形でのシナリオ作成方法が紹介されています。
- 全体の流れを「接続詞」を交えた形の文章で書き出す(A4一枚)
- 「接続詞」のところで文章を区切って、スライド化する
方法はどうあれ、「シナリオ作りが大事なので、プレゼンテーションツール(PowerPointなりKeynoteなり)をいきなり開くな」と言っているんだと思います。
相手の意識を活性化させる「さぐり」
何かこちらから投げかけない限り、聞き手はテレビでも見るような、受動的な姿勢でプレゼンに臨むことになります。
たいがいの方は経験があると思います。
退屈な思いをしながら、第三者的に座っているだけの時間。はやく終わらないかなと思いながらの時間。
この状態で始まったプレゼンは、聞く耳を傾けてもらえない状態が最後まで続きがちだと思います。
これを打開する策として「さぐり」が紹介されています。 この「さぐり」の目的は、「観客の温度感をたしかめる」+「相手の意識を活性化させる」ことであり、これを通じて、観客に「このプレゼンテーションの参加者である」という意識を持ってもらうことを狙ったものだそうです。
具体的には、聞き手と「やり取り」をしてみるのが理想であり、例として「挙手してもらう形式で質問する」ことが挙げられています。
ファクトとオピニオン
「ファクトをどう受け止めるべきなのか」について、聞き手の目線を誘導するわけです。
ファクト(事実)にオピニオン(意見)をつけて伝えることで、単に事実を伝えるだけに終始せずに、自らの意味付けを含めて、聞き手に届けることができるというわけです。
最終的には
伝えようとしている「もの/こと」に愛情を持つ
これに尽きるようです。とことん好きになって、その良さをたくさんの人たちに伝えたいというスイッチが入っている状態になること。
最近、これらのいくつかを試してみました
ちなみに、最近これらのTipsのうち いくつかを実際に試してみたんですけど、まさに「言うは易し行うは難し」でなかなか全てはうまくいかなかった印象です。なにごともそうですけど、機を見て何度もトライしないと自分のものにはならないなぁという感触です。
参考
人を動かすプレゼンの黄金比「30対70」とは? 聞きたくなるプレゼン・シナリオのつくり方|プレゼンは「目線」で決まる ― No.1プレゼン講師の 人を動かす全技術|ダイヤモンド・オンライン
*1:過去2冊分の記事は、プレゼンの神様 - koda-album と 「エバンジェリストの仕事術」(西脇資哲) - koda-album です。