「アジャイルの魂2015 アジャイル開発者18人の物語」 #AgileJapan
AgileJapan(アジャイルジャパン)の拡散
これは、2015年のAgileJapanで参加者に配布された小冊子だそうです。
アジャイルジャパンに参加しなかった方々に向けて情報を「拡散」させることを狙って作られたそうです。
というわけで、僕も、参加してきた同僚に借りて読んでみました。
小冊子の構成
この冊子は、アジャイル開発に関わっている18名の方々による寄稿で構成されています。
第1部は「アジャイルの秘伝」として、アジャイルについての大局的な説明などの寄稿が詰め込まれています。
第2部は「アジャイルの現場から」として、色々な立場でアジャイル開発に取り組んでいる方々の体験談が紹介されています。
第2部の方は、机上論だけではないリアルな体験も含めて書かれており、実際現場でアジャイルを試行しようとする時に参考になる部分があるように思います。
というわけで、気になったところをメモしておきます。
気になったメモ
- 日本の多くの企業では、ウォーターフォール開発が主流です。これからもウォーターフォール開発がなくなることはないでしょう。しかし、ウォーターフォール開発では成功が難しいプロジェクトが増えていることも事実です。
- プロジェクト管理のゴールは『資源を有効かつ効率的に運用して、動くソフトウェアをエンドユーザーに提供する』ことである。計画を守ることやプロジェクトの進捗を報告することはゴールではない。これらは正しくゴールに向かっているかを判断するために必要な項目である。
- 『アジャイルとは、お客様のビジネス価値を最大化するための「考え方」や「姿勢」である』と定義しました。
- 一方、ITサービスを実現するシステムを作る場合には、特に環境変化の激しい状況では先を見通すことができないため、少しずつ作って確かめながら次のステップに進むやり方がよい。
- 報酬のインセンティブは、(略)、創造的な仕事では逆効果であり、成果を高めるのは、内的な動機づけにもとづくアプローチである。すなわち、重要だからやる、好きだからやる、おもしろいからやる、なにか重要なことの一部を担っているからやる、というものである。
- (KPT失敗例として)「図6が『言ったもの負け』の典型的な形です。(中略) 日常的に時間のプレッシャーが強く、改善の必要性は感じているが、改善案を出すと、出した本人が実施しなければならないようなときに起こりがちです。
- 市場に自社のブランドが浸透すると、安易に仕様変更して既存顧客を失うリスクを避けるようになるという意識です。この段階では、経営者はたいてい、すでに展開しているサービスや製品の仕様を変更して既存顧客を戸惑わせるよりも、マーケティングを活用して未開拓のユーザーを新たに獲得するため、チャネルの拡大戦略に切り替えようとし始めます。
- 組織風土という観点から見れば、アジャイルソフトウェア開発宣言はビジネスのライフサイクルのうち成熟・衰退期を迎えている組織風土と非常に相性が悪いことが想像できます。
- もし、テスターが、どのようなフィードバックを設計側に返すかを明確に説明し、それに合意できれば、設計はそのためのドキュメントを作るというのである。これは素晴らしいはなしで、アジャイルを真に理解できたのは、この瞬間だと思う。
読んでみたい方は...
ちなみに、この小冊子、追加購入やPDF版といった入手方法もある(準備中)のようなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。 (もちろん、周りにアジャイルジャパン参加者がいれば手っ取り早いですけど。)
Agile Japan 2015にご参加いただき、ありがとうございました!小冊子はいかがでしょうか?率直な感想をお寄せいただければうれしいです。追加購入のご希望がありましたら、マナスリンクまでお問合せください。PDF版も準備中です #agilejapan
— EM Zeroのナカノヒト (@em_staff) 2015, 4月 17
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小冊子情報
2015年4月16日 初版第1刷発行
編集:アジャイルジャパン2015実行委員会
制作:株式会社マナスリンク
印刷製本:昭栄印刷
表紙題字:平鍋健児
デザイン:前川智也
Copyright(C) 2015 Manaslink
Printed in Japan
執筆者一覧
- 和田 憲明
- 小井土 亨
- 前川 直也
- 山下 博之
- 天野 勝
- 古川 和年
- 原田 勝信
- 田野口 大樹
- 高柳 謙 (gaoryu)
- 廣政 圭
- 松本 拓也
- 長岡 桃子
- 大中 浩行
- 粕谷 大輔 (@daiksy)
- 半谷 充生
- 懸田 剛
- 渡会 健
- 永田 敦
- 関 満徳