「エキストラ・イニングス 僕の野球論」(松井秀喜)
父親に借りて読みました。
元メジャーリーガー松井秀喜による、自身の現役人生を振り返る文章が綴られています。「何を考えながらプレーしてきたか、どういう気持ちで周りの人に接していたかという部分」を書いたそうです。
各文章からは、生き方に対して悟りを開いているような、松井秀喜の人間性を垣間見ることができます。
「人間万事塞翁が馬」とでも言うような、彼の人生哲学を感じませんか。 はやく指導者としての活躍を見てみたいです。
- 野球と同じで勉強でも仕事でも失敗はあるだろう。もしそこで駄目だったとしても、取り組みが確かなら、本人に分からない別のところで成功に近づいているのだと僕は考える
- 要は互いに相手の視点からものを見ようとする姿勢があれば、意図は伝わるということだ。指導者が圧倒的に強い立場にいて従うのが当たり前だと、どうしても意図は伝わりにくくなる
- 常識と思われていることを突き詰めれば、中には覆ることもあるのだろう。 ...(中略)... 誰かがより良い『正解』を見つける可能性はいつでもある
- 誰も永久に勝ち続けることはできない。敗戦は付きもので、スポーツは人生の早い段階でそういう感情を乗り越える訓練をする場でもある
- 悔しさという感情と、敗戦を未来に生かす論理的思考は別のものだ。忘れられない。だから人生の糧になるのだ。失敗から生まれる悔しさや恥ずかしさがあれば、人は自分を見つめることになる。そういった感情を簡単に忘れない方がいいのではないか
- 悔しい思いで夏を終えた選手たちは、忘れられない敗戦が胸にあることが生涯の財産なのだと思う
- 物事が思うように運ばないのはストレスかもしれない。ただ、うまくいかないことよりも、それで怒ることの方が嫌だと思った。自分がいらつくことがあったら、それが一番嫌。だから良く言えば受け入れる。悪く言えば諦める
- マイナスを考えだしたらきりがない。だから試合にはプラス材料だけを頭に入れて臨む。...(中略)... その代わり練習ではマイナス思考を持ち、自分に足りない部分を徹底的に考えた