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育児プログラマーの日々のざれごと

「荒木飛呂彦の漫画術」(荒木飛呂彦) に書いてあったこと

ジョジョの奇妙な冒険」の作者、荒木飛呂彦の著書。

奇抜な作品を描くと思われがちな荒木飛呂彦が、

僕自身は、『ジョジョは王道漫画だ』という自信を持って描き続けてきました。一見異色に思えても、ジョジョのどういうところが、なぜ王道なのか、これから具体例を挙げながら解説していきたいと思います

と書き進めます。

ドラゴンボールこち亀サザエさん等の作品を引き合いに出しながら、自らの漫画術を披露していきます。すごく深く研究して計算して作品を描いてることが読み取れます。

そもそも自分の作品を題材にしながら、こんなにも客観的に読みやすい文章を書けるというところも、さすが。

漫画は描かない人でも、参考になる部分が多いと思います。

メモの取り方

荒木飛呂彦先生は、何をメモしているのか。 | シゴタノ!でも紹介されていますが、メモの取り方について、次のように独特なノウハウを紹介しています。

大きく分けると、『おもしろい』と思ってメモする内容は三つに分けられます。①自分がよいと思ったこと ②自分とは違う意見や疑問に思う出来事、理解できない人 ③怖い出来事、トラウマになりそうな出来事

型を破るためにはまず型を知ること

そして、型を破るためには、まず基本となる型を知ってることが前提だということを繰り返し述べています。

  • もちろん必ずしもこの本にある通りに漫画を描かなくてもいいと思いますし、中には『これは違うよ』と考える人もいるでしょう。けれども、『違う』というのはあくまで『道』を知っているからこそわかることです

  • 時代と共に絵を発展させていくためには、こういう思い込みを積極的に打ち破っていかなければなりません。そのためには、やはり絵の基本を押さえておくことが絶対に必要なのです

たしかに、今の世の中、今のやり方に批判的な発言や行動をしたくなるシーンはよくあると思いますが、その発言や行動に説得力を持たせるためにも、まず自分が基本を抑えていることが当然重要でしょう。基本を抑えずに理想ばかりを追い求めて好き勝手を言うのは論外なのでしょうね。

自らを修正していく心がけ

さらに、キャリアの上にあぐらをかかないことの重要性にも言及しています。

キャリアを積んでいくと、知らないうちに美意識が固まってしまって絵が古くなりがちですから、時々、美の客観的な見方を学び直し、美意識を修正していくといいと思います

キャリアの上にあぐらをかくのではなく、そのキャリアが凝り固まらないようにしているんでしょうね。頭がさがります。

イデアについて

  • 『アイディアは尽きないんですか?』と聞かれることもありますが、アイディアが尽きるというより、自分の興味が尽きるからアイディアがなくなるのだと思います

イデア自体ではなく、その対象への興味を持ち続けられるかがポイントだとのこと。たしかに。

読んでみて良かった

漫画術なんてカンケーないから読んでも仕方ないよなーと思ってたのですが、同僚さんが持ってるのを見かけたのでお借りして読んでみました。漫画を超越した内容がたくさん含まれていて読んでみて良かったと思います。