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育児プログラマーの日々のざれごと

「外資系エリートのシンプルな伝え方」(澤円)

著者の澤円さんは、日本マイクロソフトのテクノロジセンター長であり、また、コミュニケーションやプレゼンテーションをテーマにした企業向け研修も行われている方です。

2014年のde:codeの場でセミナーを拝聴させて頂いたのですが、非常に柔らかな語り口でありながらも、観衆を力強く話の中に引き込むような、そんなお話ぶりだったことを記憶しています。

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さて、本作ですが、表紙をめくると以下の文章が目にとまるようになっています。

シンプルであれば4つのメリットが手に入ります。

  • 「大事なことが明らかになる」
  • 「誰でも気づける」
  • 「多くの人に伝えてもらえる」
  • 「どんな人にも等しく伝わる」

どのようにシンプルにするか、どうすれば本質が伝わるのか。
本書では、そのポイントを突き詰めてみました。

シンプルであることの優位性は、感覚的にも経験的にも理解しているつもりですが、このように短く明快に言われるとさらに納得性が高まります。
いきなりシンプルさの力を見せつけられる形です。

その後、ぐいぐいと内容に引き込まれます。

  • 「得意技は何か?」と考えるときのポイントは"他者への貢献"です。独りよがりであってはいけません。「得意技は、他者が認定するもの」とも言い換えられます。
  • 自分と相手以外に、三番目のペルソナ(登場人物)をつくって、その人の思考パターンを「第三極の視点」として想像してみるのです。
  • (メールを)「読んでもらう」→「理解し、行動してもらう」へ
  • 何よりも先に、「どうしてほしいのか」を明らかにします。どういう目的で送るメールなのかを、必ず冒頭部分で伝えます。
  • 確信がつかめない、文章の長いメールは避け、事実と自分の意見(分析、予想)は、混在させずに、ハッキリ分けて書きます。
  • 「発言しない人は、何も考えていない人と等しい」という価値観も知っておきましょう。
  • たわいのない会話でも、「今、話をしている『この場』『この時間』というのは、もう二度とないんだ」と意識するだけで、確実に、その空間における会話の質が高まります。
  • 会話は、「質問」と「反応」がセットになって進行していくことで、物事の理解が深まったり、迅速に目的が果たされたり、より威力を発揮できます。
  • 「プレゼンテーションが終わったあとに、しっかりと相手の心に残って、しばらくの間その人の中にとどまり続けるもの」これが、プレゼンテーションの「核」です。

「今を大事に生きること」にまで触れるとは想像していませんでした。

たしかにシンプルさが行き着く先はそこなのかもしれません。